謝罪と補償を要求する

我が社の社員食堂では予算が足りないため、古くなったプラスチック製トレイを更新できず、長い年月にわたって自動食器洗い機の高圧蒸気にさらされた結果、およそ常識では考えられないほどに歪んだトレイをいつまでもいつまでも使っている。

ご飯を食べようと、右手前に置いた茶碗を手に取ると、左奥に置かれた味噌汁が倒れ、トレイの中がベチョベチョになる。機械読み取り式の食券を、そのトレイに置きっぱなしにしておこうものなら、こぼれた味噌汁で磁気テープがやられてパーになる。

こういったストレスというものは体験した者でなければわかるまい。それはそれはもう、想像を絶するストレスである。日本政府はこういった国民のストレスを解消する事に関してあまりにも無頓着である。政治家は、庶民がどれだけ苦しんでいるかがちっともわかっていない。



「こちら側のどこからでも切れます」

と書かれた納豆のタレ。切れたためしがない。毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝365日、一日も欠かさず納豆にタレを入れるたびに指をタレだらけにしている。このような庶民の気持ちを分かっている政治家が現在どれほどいるのか。

国は即刻、「どこからでも切れます」表示を出した納豆のタレメーカーに対し、「切れる」の表現に対して明確な規準をもうけるとともに、違反した業者に対しては業務改善命令を出すべきである。同時に補助金を出して国内に流通している全ての納豆メーカーに対して、そのタレの容器には、例のコンビニで売ってるドレッシングみたいなワンタッチでパキッとやれば中身を出す事が出来る例のアレ式のパッケージにするよう指導するべきである。

日本国民は今こそ立ち上がるときである。誰もがもう気付いているはずだ。こういった細かいストレスが全ての元凶であることを。竹島問題でヒステリックにわめき散らしている、かの国の人々もきっと、毎朝、毎朝、毎朝、毎朝、キムチの蓋が空かずにイライラしているに違いないのだ。私は彼らの気持ちが手に取るように分かる。本当にイライラするものなのだ。キムチ食いたいよな。オレも朝は納豆を気持ち良く食いたい。

日本政府はだな。その、例の、コンビニで売ってるドレッシングみたいなワンタッチでパキッとやれば片手で中身を出す事が出来る例のアレ式のパッケージに関する特許を取り下げてだな、まあ、あの国はそんなことしなくてもどうせパクってるだろうから、それを容認する事で、両国の明るい未来をですね、築いて行くべきだと思うのだ。